ここで示す水質基準は、水道法に定められている値で、水道により供給される水に適用されるものです。一般家庭で使用する井戸水には、法律で定めた基準はありませんか飲用安全の目安としてこの水道法の基準を準用していますも水の飲用に対する、水質検査結果の評価について、各検査項目の総合的な判断が必要です。
井戸を掘った直後とか、給水施設の布設直後−あるいは採水時の汚染等の特異的な条件により一時的に水質が変化することもーありますので、ひとつの項目だけの検査や一回だけの検査では判断できない場合があります。
水質検査結果書の判定欄には、各水質項目について水道法の水質基準に適合しているか否かを記入してあります。
なお、各水質項目の意義及び対策は次のとおりです。 |
〈水質項目の解説〉 |
1
一般細菌(水質基準:100個/ミリリットル以下) |
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いわゆる水中の雑菌で、すべてが必ずしも病原菌ではありませんが、多数の細菌が検出される場合は、し尿、下れ汚水等による汚染の指標となります。
●対策:煮沸飲f軌塩素滅菌機等の設置。 |
2
大腸菌群(水質基準:検出されないこと) |
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一般に人畜の腸管内に生息していることから、井戸水等に存在するということは、し尿等による汚染の可能性があり、大腸菌の中には、琴原性をもつものもあります。また、消化器系伝染病原菌(コレラ菌、赤痢菌、チフス菌等)による伝染病患者を発生させるおそれがあります。
●対策:煮沸飲見境素滅菌機等の設置。 |
3
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(水質基準:10mg/β以下であること) |
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し風下水、汚水等の汚染を推定する有力な指標となります。土壌や多くの動植物体内にも相当量含まれ、また蛋白質のような窒素化合物の腐敗先晩酸化等の過程で生じるため例えば、生ゴミ等の埋立地や以前に田畑であった土地からは高濃度で検出することもあります。
●対策:逆浸透膜嵐イオン交換法。 |
4
塩素イオン(水質基準:200mg/以下であるこ主) |
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ほとんどの自然水に含まれていますが、し尿、下水、障れエ場排水の混入によっては増加するの、これらによる汚染の指標となります。
また、250mg/g以上では塩味を感じると言われています。
●対策:逆浸透膜線イオン交換法。 |
5
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)(水質基準:10mg川下であること) |
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水中の酎ヒされやすい物質によって消費される、過マンガン酸カリウムの畳をいいます。これは、水に含まれる有機物(し風下れ汚水等による汚染の指標となります0)や第一鉄塩,硫化物等の無機物の量を示すものです。
またフミン質(動植物の有機物が地中において徐々に分解されて生成したもの)が多いときも過マンガン酸カリウムの消費量が増加します。水質基準を超える俺が検出される場合は、原因を究明し、適切な対策を講ずる必要がありますれ恒久的には、上水道への切り替えが望ましい。
●対策:ろ過.活性炭処理.(凝集沈殿)。 |
6
PH値(水質基準:5.8以上8.6以下であること) |
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PH借は、水の酸性、アルカリ性を表すもので、0から14の範困で示します。7が中性で、7より小さくなるにつれ酸性が強くなり、7より大きくなるにつれてアルカリ性が強くなります。
通常は、中性付近の数値です机異常値を示す場合は、エ場排水等の汚染の可能性があります。 |
7 味(水質基準‥異常でないこと) |
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藻類やある種の細菌の増楓下水、汚水、工場排水による汚染の他水道管の材質によっても異状を呈する。
●対策:活性庚処軌(緩速ろ過)。 |
8
臭気(水質基準:異常でないこと) |
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藻類やある種の細菌の増殖・下れ汚れエ場排水による汚染の他水道管の材質によっても異状を呈する。
●対策:活性炭処艶(緩速ろ過)。 |
9
色度(水質基準:5皮以下であること) |
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通常フミン質に原因するものが多いが、鉄、マンガン等の影響や、化学工場等の排水による汚染の指標となります。原因を確認する必要があり、鉄によるものであれば、給水管の洗浄、交換あるいは、鉄の除去装置を設置することにより改善する場合もあります。
●対策:活性炭処艶(凝集沈殿)。 |
10濁度(水質基準:2度以下であること) |
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井戸水においては、粘土系の濁質による場合が多く、また、給水管等の欠陥により汚濁物質か混入することあります。原因により差異はあるが、ろ過装置により改善される場合もあります。
●対策:ろ過、(凝集沈殿)。 |
以上10項目について概要を述べましたが、各水質項目において.常時水質基準を超えるような場合には、その原因を究明し、適切な措置を行うことも重要ですが一般の家庭では,層用や管理の面から対応が困難な場
合もあります。井戸の水質を改善するには、井戸の掘り替えも有効な方法ですが、多大な費用がかかることや、水質が必ず改善するとは限りません。水質に異常がある場合には、上水道への切り替えが最も確実な方法です。
井戸水を使用する前には、「全項目検査:46項目」の検査を行い安全性を確認することを望ましいことです。
また、使用開始後は10項目の水質検査を定期的に実施するとともに、周辺の環境によってはトリクロロエチレンに代表される有機塩素系化合物の検査を行うようにしましょう。
なお、水質検査についての不明な点や、水質基準に不適合の場合の措置等については、保健所の検査担当又は
環境衛生担当までご相談ください。 |
千葉県衛生部薬務課
千葉県 保健所 |